家族と離れ施設で暮らすご高齢の方々にとって
季節ごとのイベントは楽しみの一つになっていることでしょう。
中でも七夕は年配の方にもなじみがあって
飾りを作ったり願い事を考えたりと、
当日までの準備や雰囲気も楽しめるイベント
なのではないでしょうか。
施設でのせっかくの七夕を更に楽しめるように
その飾りや飾りに込められる願いについて
改めて見つめなおしてみましょう。
つまらない七夕になってない?飾りの種類は無限大!
七夕の飾りというと
折り紙で作った飾りと
願いを書いた五色の短冊を飾った笹が
もっとも一般的でしょう。
しかし、60代の方で
その本当の意味や飾りに込められた願いを
理解している人はあまり多くありません。
意味をよく知らないまま
毎年同じような飾りを飾るだけでは
少し退屈に感じませんか?
本当の七夕の意味や様々な飾りを知れば、
もっと七夕を楽しめるようになるはずです。
まず、なぜ笹に飾るのでしょうか。
そもそも七夕は
恋に落ちた彦星と織姫が遊んでばかりいて
仕事をしなくなってしまったため、
その二人への戒めから始まったとされています。
その後、仕事をきちんとすることを条件に
年に一度会うことを認められたことから
技術や芸を磨き上達することを祈る習慣として浸透しました。
つまり、祈りや願いが七夕の原点となっているのです。
また、笹竹には天の神様が依りつくとされているため
願いや祈りを込めた飾りを笹竹につるして天に向けて飾るのです。
その笹に飾る飾りにはどのような種類があるのでしょうか。
実は、七夕の飾りの多くが彦星と織姫の仕事に関連しています。
例えば、かごの形をした「屑籠」は
豊漁、幸運の願いが込められていますし、
「野菜」の形の飾りにはお供え物の意味があり、
彦星の仕事と遠からず関連があるのが分かります。
また、紙で作った着物の形をした「紙衣」は
お裁縫の上達を願う飾りですし、
丸い上部に長い足のようなヒラヒラした飾りのついた「吹き流し」は
機織りの上達を願う飾りで織姫の仕事に由来しています。
他の七夕の飾りも似た様子で
どれも日々の暮らしと結びつく、穏やかな願い事が込められています。
この他にも、七夕には数多くの飾りがあり
ほとんどを折り紙などで手軽に作ることができます。
飾り同士をつなげたり好みの色で作ったり
その種類や楽しみ方は無限大です。
また、自分で技術の向上を願いたいことがあれば
それを形にしても良いでしょう。
例えば、野球がうまくなりたい人なら
野球ボールの形の飾りを作ってみましょう。
このように、意味を考えながらどんな飾りにしようか考えたり、
自分の願いを込めてオリジナルの飾りを丁寧に作っていくと
今までのように意味を知らないまま、
なんとなく飾りを作って飾るよりも、
より楽しく、深く願いを込めて七夕を楽しむことができるのではないでしょうか。
また、ご高齢の方たちとの共通の話題も増えて
いっそう七夕祭りを楽しめるでしょう。
ご高齢の方たちの願いごとに耳を傾けながら飾りを作っていると、
その方の今までの人生や
高齢になってからもなお願う将来への夢から
色々なことを学べるかもしれませんね
実は法則があった!?年齢層ごとの七夕の飾りに込められる願い
七夕の飾りの代表的なものに
願いを書いた短冊があります。
その短冊に書く願いには実は年齢層ごとの法則があり、
とても興味深く面白いものです。
小学生以下
将来の夢にまつわる願い事が多く書かれています。
例えば、サッカー選手になりたい、
宇宙飛行士になりたいなどが多くなっています。
その他には、現在習っている習い事や
苦手なことに関するものも多くなっています。
水泳でクロールができるようになりたい、
鉄棒で逆上がりができるようになりたいなどです。
中高生
受験生を意識する年頃のため、
学力に関する願い事が多く書かれています。
〇〇高校に受かりたい、
第一志望に合格したいなどです。
その他、部活動に励んでいる時期でもあるので、
△△大会で優勝したい、
選手に選ばれたいなども多くみられます。
20代学生
受験などが終わりちょうど恋愛を楽しめる時期なので、
恋愛関係の願い事が多く書かれています。
恋愛運を上げたい、
ときめきがほしい、
恋愛を充実させたいなどです。
その他、就職に関する願いごとが多くなっています。
第一希望の企業への就職や資格試験の合格などが多くみられます。
20代社会人
お金や将来設計に関する願い事が多く書かれています。
お金持ちになりたい、
結婚したいなど将来を見据えた願いが多くなっています。
20代30代共通
子供や家族に関する願い事が多く書かれています。
結婚して子供が生まれることの多い時期なので
子供の健康や成長、
赤ちゃんを授かりたいといった
家族に関する願いごとが多くなっています。
それと関連して結婚したいなども多くなっています。
30代、40代
健康に関することと、
家族や子供に関する願い事が多く書かれています。
20代とは違って体力に不安が出てくるため、
健康第一という願いが多くなるようです。
また、子供が生まれたり、
子供の年齢も上がってくる時期なので
子供の成長や受験など子供の成功を願う事が多くなっています。
50代
子供の成功や自立、
その後にある自分自身の第2の人生に関する願い事が
多く書かれています。
子供の就職や自立、子供の結婚などを願い、
そこまでを親としての一区切りと考え、
次にやってくる自分自身の第2の人生の充実に関する願いが多くなっています。
60代以上
50代と同じく、
第2の人生とともに孫の成長に関する願い事が
多く書かれています。
子供も自分の家庭を持って自立する人が増え
自分自身の人生の次のステップに移行する時期に当たるため、
20代と同様に自分自身に関する願い事が多くなります。
その他、健康に関する願いも多くなっています。
まとめ
こうして見てみると、
人の願い事というのは人生の各ステージによって変わるもので、
年齢で法則があることが分かります。
ご高齢の方々が過ごしてこられた
人生の様々なステージでのエピソードなどを聞きながら
丁寧に飾りを作り七夕を迎えられたら、
きっとご高齢の方々に楽しんでいただける七夕になることでしょう。