「勤労感謝の日ってなに?」と子どもに聞かれて、うまく答えられなかった。そんな経験はありませんか。
大人でも説明しようとすると意外と難しい祝日です。働く人にありがとうを言う日、という理解だけでは、子どもへの説明が続きません。
この記事では、勤労感謝の日の正しい意味・年齢別の伝え方・子どもと一緒にできることをまとめました。園や学校で話題に出る前に、ひととおり目を通しておくと安心です。
勤労感謝の日とはどんな日?
勤労感謝の日は、毎年11月23日に決まっている日本の祝日です。日付が固定されているので、ハッピーマンデーのように年によって動くことはありません。
法律(国民の祝日に関する法律)には、こう書かれています。
勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。
ポイントは「たがいに」という言葉です。働く人に一方的にお礼を言う日ではなく、お互いに感謝しあう日だと決められています。ここが分かると、子どもへの説明がぐっと楽になります。
なお「勤労」は、報酬をともなう労働だけを指す言葉ではありません。辞書を引くと精神的な働きやサービスも含まれます。家事や介護のように、お給料の出ない働きも勤労です。だから子どもがお手伝いをすることも、りっぱな勤労に入ります。
【年齢別】子どもへの伝え方

同じ説明でも、年齢によって届き方が変わります。背伸びをせず、その年齢で分かる言葉に置き換えてあげてください。
3〜5歳(保育園・幼稚園)
由来の話はまだ早いので、「ありがとうを言う日」まででじゅうぶんです。
「きょうはね、おしごとをしてくれる人にありがとうを言う日なんだよ。パパのおしごと、ママのごはん、ようちえんの先生。みんながいるからごはんが食べられるんだよ」
このくらいの年齢の子には、身近で目に見える人から始めるのがコツです。バスの運転手さん、給食の調理をしてくれる人、横断歩道に立ってくれている人。子どもが実際に顔を見たことのある人なら、想像ができます。
小学校低学年(6〜8歳)
「自分も感謝される側だ」という視点を足せる年齢です。
「勤労感謝の日はね、はたらく人がおたがいにありがとうを言い合う日なんだ。お手伝いをしてくれる○○ちゃんも、はたらいている一人だよ。だからママからもありがとう」
ここで「お手伝いも勤労のうち」と伝えておくと、翌年からは子どものほうから「今日は感謝の日だね」と言い出すようになります。一方通行のお礼ではなく、お互いさまという感覚が残ります。
小学校高学年以上(9歳〜)
由来まで踏み込めます。次の節の新嘗祭(にいなめさい)の話を、かみ砕いて伝えてください。
「もともとはお米がとれたことを感謝するお祭りだったんだよ。昔の日本ではお米が何より大事だったから、その年にとれたお米を神様にお供えして、ありがとうと伝えていたんだ。それが今の勤労感謝の日になったんだよ」
蛇口をひねれば水が出る、スイッチを入れれば電気がつく。目には見えなくても、そこには誰かの働きがあるという話も、この年齢なら理解できます。
由来は「新嘗祭」というお祭り

勤労感謝の日という名前になったのは1948年で、意外と新しい祝日です。ただし、その日付が選ばれたのには理由があります。
11月23日はもともと新嘗祭(にいなめさい)という皇室の行事の日でした。その年にとれた新しい穀物を神に供え、収穫を喜んで感謝する行事です。歴史は長く、古いものでは飛鳥時代から行われていたという説があります。
新嘗祭では、天皇陛下ご自身がお育てになった新穀をお供えし、その新穀を召し上がります。現在も皇室の行事の中でもっとも重要なもののひとつで、宮中だけでなく全国の神社でも行われています。
新しい天皇が即位した年に初めて行われる新嘗祭は「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれ、とくに盛大に行われます。ニュースで見たことがある方も多いはずです。
第二次世界大戦後、GHQによって天皇の行事と国民の祝日が切り離されることになり、同じ日付に「勤労感謝の日」が定められました。お米の収穫への感謝が、働くこと全体への感謝に広がったと考えると分かりやすいです。
結局、誰に感謝する日なの?
答えはシンプルで、お互いに、すべての人に感謝する日です。
日本人はもともと食をとても大切にしてきました。神事やお祭りのお供え物が基本的に食べ物なのも、そのためです。米を主食に生きてきた日本人にとって新嘗祭が重要だったのは当然で、それを引き継いだ勤労感謝の日も、私たちの感覚にとても自然になじみます。
まずは身近な人への感謝からで構いません。バスや電車の運転手さん、ビルの掃除をしてくれている方、横断歩道で子どもたちを誘導してくれている方。想像すらつかない仕事で生活を支えてくれている人が、どこかに必ずいます。
そして自分自身のこともねぎらってあげてください。あなたに感謝している人も、目に見えないどこかにいます。
子どもと一緒にできること4つ
説明だけで終わらせず、手を動かすと記憶に残ります。準備がいらないものを選びました。
- ありがとうの手紙や似顔絵を書く…パパ・ママだけでなく、祖父母や先生など「いつも会う人」宛てにすると渡しやすいです
- その日だけのお手伝いを決める…お手伝いも勤労だと伝えたうえで、いつもはやらない仕事を1つ任せます
- 秋の収穫物を食卓に出す…新米、さつまいも、栗など。由来が収穫への感謝なので、話がそのままつながります
- 働く人を数えてみる…今日食べたごはんが食卓に並ぶまでに、何人の人が関わったかを一緒に数えます。作る人・運ぶ人・売る人と、驚くほど増えていきます
よくある質問
父の日・母の日とは何が違うのですか?
父の日・母の日は特定の人に感謝する日ですが、勤労感謝の日は特定の誰かに限りません。法律にも「国民たがいに感謝しあう」とあるとおり、対象は全員です。子どもが「誰にありがとうを言えばいいの?」と迷ったら、「みんなだよ」で正解です。
勤労感謝の日は毎年同じ日ですか?
はい、毎年11月23日で固定です。成人の日やスポーツの日のように月曜に移動することはありません。土日と重なった年は振替休日になります。
「勤労」に子どものお手伝いは入りますか?
入ります。勤労は報酬のある労働だけを指す言葉ではなく、家事や介護のようにお給料の出ない働きも含みます。お手伝いも、りっぱな勤労です。
英語ではなんと言いますか?
一般に Labor Thanksgiving Day と訳されます。アメリカの Thanksgiving(感謝祭)とは別の行事なので、子どもに聞かれたら「似た名前だけど違うお祝いだよ」と伝えてあげてください。
まとめ
勤労感謝の日を子どもに伝えるときの順番をまとめます。
- 11月23日で、法律に「国民たがいに感謝しあう」と書かれている日だと知る
- 小さい子には「おしごとをしてくれる人にありがとうを言う日」まで
- 低学年には「お手伝いをする自分も勤労のうち」を足す
- 高学年には、由来が新嘗祭というお米の収穫を感謝するお祭りだったことを話す
- 手紙を書く、秋の実りを食べるなど、手を動かして締めくくる
祝日は、ただの休みではなく意味のある日です。年に一度、原点に立ち戻って「感謝」を思い出す時間にしてみてください。
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