子どもを預けて働くママは、たくさんいます。
でも、実際に働いてみると仕事そのものより、まわりの目や自分の中の罪悪感のほうがしんどい——そう感じている方は少なくないはずです。
この記事では、子育てしながら働くときにぶつかる悩みを、「職場での気まずさ」「時短勤務」「転職」の3つに分けて整理しました。きれいごとではなく、現実的な折り合いのつけ方をまとめています。
「周りに迷惑をかけている」という思いは、たぶん消えません
なぜ消えないのか
多くの企業が、子育て中の社員に配慮した制度を整えてくれています。保育所に間に合うよう時短にしてくれたり、業務中でも園と連絡が取れるようにしてくれたり。本当にありがたいことです。
それでも、「迷惑をかけた」と思ってしまう気持ちは消えません。
理由はシンプルで、まわりが全員「大丈夫ですよ」と言ってくれたとしても、心配しているのはママ本人だからです。「やってもらって当たり前」という軽い気持ちに見られたくない、という思いもあるかもしれません。
だからここは、気持ちを消そうとするのではなく、まわりに伝わる形を作るほうが早いです。
真面目さと一生懸命さは「見える形」にする
時短で早く帰るママにとって、ここがいちばん大事なポイントです。
得意な仕事ばかりではありません。苦手な分野に当たることもあります。そんなときこそ、見て分かるくらいの真面目さを表に出しておくと印象がまったく変わります。
たとえば「1+1」の計算が自分には難しくて、筆算をすれば分かるとします。それなら、まず実際に筆算をしてやってみる。
その筆算を見られても「苦手なんです」と言えば「そうなんだ」で話は終わります。でも、やる前に人へ「1+1って何でしたっけ?」と聞いてから「苦手なんです」と言うと、「それくらいできないの?」と思われかねません。
もちろん、やってみて分からないことを勝手に進めるのはいけません。分かる人に確認します。ただ「一度やってみる」→「確認する」という順番を守るだけで、真面目さと一生懸命さは自然に伝わります。
挨拶に「+α」を足すだけで印象が変わる
挨拶を大切に、というと新入社員向けの話みたいですが、ここで言いたいのは挨拶のあとに続けるひと言のほうです。
「おはようございます。今日、急に寒くなりましたよね」
「お疲れさまです。昨日の○○ですが、〜になりました」
天気の話なんて意味がない、と思うかもしれません。でも、言われた人がその日外に出て「寒い!」と感じたとき、「そういえば○○さんが言っていたな」と思い出してもらえる——それだけで十分な印象です。
伝えることは本当に細かいことでもかまいません。
「事務所のゴミ箱がいっぱいでしたので、捨てておきました」
話が「あぁ」で終わってもいいんです。少しずつ良い印象を積むことが、そのまま自分の自信になっていきます。
時短勤務にまとわりつく悩み
先に言うと、悩みは完全にはなくせません
保育所や幼稚園には預けられる時間の縛りがあります。フルタイムで働くには、自宅か預け先のすぐ近くで働けるくらいでないと現実的に難しい。そこで登場するのが時短勤務で、子育て中の家庭には無くてはならない仕組みです。
ただ、ありがたい反面で悩みも増えます。
・産休育休から復帰して時短勤務をしていると、フルタイムの同僚の視線がなんとなく気になる
・接客業などで遅番ができず産前に退職した場合、昼間のパートがなかなか見つからない
・やっと見つかっても、他の人とのシフトの兼ね合いで思うように働けない
正直にお伝えすると、この悩みを完全になくすことはできません。
疲れているときに早く帰る人を見て「いいな」と感じるのは、フルタイムの人にとって自然な感情です。接客業には営業時間があるので、昼間だけのパートしかない職場はそもそも多くありません。シフトは他の人の希望もあるので、必ずしも通りません。
これらを前提として引き受けたうえで働く——厳しいようですが、ここを受け入れると気持ちがずいぶん軽くなります。悩みの網を消すのではなく、網目の隙間を広げていくイメージです。
それでも、時短はママの味方です
悩みがあるからといって、急に時短をやめることはできません。フルタイムに対応した保育所を探して入り直すのは至難の業ですし、家計のために働いているのですから、辞めるという選択もできません。
時短勤務は、仕事をしながら無理なく子育てをするための仕組みです。
そして思い出してほしいのですが——
・ミルクのあげ方も分からなかった
・赤ちゃんのお風呂の入れ方も分からなかった
・離乳食の作り方も分からなかった
・言葉の教え方も分からなかった
それなのに、今はできていませんか?
つい最近覚えたばかりのそれらをこなしながら、時短とはいえ仕事もしている。これはもう、十分に強い証拠です。
子育て中の転職のリアル
「転職しなければいい」では済まない
子育て中の転職は本当に厳しいものです。とはいえ、転職しないと決めていても発生してしまうことがあります。パパの転勤、会社の事情、そして産後に入った新しい職場が家庭の状況と噛み合わなかったというケースです。
産休明けの復職なら職場のことはある程度分かりますが、産後に全く新しい環境へ入ると、やってみないと分からないことが多くあります。
実際に起こりがちなのがこの2つです。
・何か月経っても研修期間の時給のままで、子育てに必要な金額を稼げない
・「入れる日に入る」契約で入社したら、週に1日しか入れず、保育料だけがかかる
だからといって専業主婦に戻るわけにもいきません。お金を稼がないと子育てができないから働くのです。
いっそ「慣れる」+希望を先に伝える
職務経歴書は長くなる一方で、本当は転職などしたくない。でもしなければならない。それならもう、転職そのものに慣れてしまいましょう。
慣れると、働くうえでの希望を自分から事前に伝えられるようになります。あとから「時給は上がりません」「週1日しか入れません」と言われないように、最初にはっきり伝えるのです。
新卒のときのように「とりあえず控えめに」はいけません。
会社が平日日中の人員を求めているときに「いつでも大丈夫です」と答えると、火水木金希望の人が優先され、自分は月曜だけになってしまうということが起こります。
子どものことは大切に考えて、はっきり言ってあげられるはずです。同じように、自分のことも大切に考えてあげてください。
そうすると転職活動そのものにも慣れて、面接の時点で「ここは合わないな」と思ったときに次へ進めるようになります。ここで「まぁいいや、働かなきゃいけないし、とりあえず入社しよう」としてしまうと、かえって転職を繰り返すことになります。
未経験の職種より、得意な職種
職種選びで失敗しやすいのが、こんな流れです。
早番遅番のある接客業を経験してきた人が、「カレンダー通りの事務なら、自宅の近くで正社員でも保育所に間に合う」と考えて挑戦する——うまくいく人もいますが、なかなか板につかない人が大半です。
「お子さんが小さいので、まずはアルバイトから」と言われて始めた事務が、閑散期になると出勤数を減らされる。これは裏を返せば「未経験で正社員はちょっと」ということだったりします。
だったら、慣れないことを始めるより得意な接客業を掛け持ちするほうが良かったかもしれません。同じ新しいことを覚えるのでも、得意な職種ならすぐにできますし、シフト制なら希望日を出せることが多いので、意外と思うように働けます。
そして何より、好きな仕事を思い切りやっているママを、子どもは憧れの目で見ています。
最後に:その悩み、本当に「仕事」の悩みですか?
これは、ぜひ一度考えてみてほしいことです。
「仕事」というものは、学生時代のアルバイトも含めれば、多くの人が何かしら経験しています。つまり子育てより経験値が高いのです。
経験が浅い子育てではなく、経験の長い仕事のほうで深く悩んでいる——冷静に考えると、少し不思議だと思いませんか。
子育てで悩んでいることを、仕事の悩みだと勘違いしている場合もあります。
悩みがどうにもすっきりしないと感じるときは、仕事のことばかり見つめるのをいったんやめて、子育てのほうで困っていることがないか振り返ってみてください。本当の原因が別のところにあると分かるだけで、驚くほど軽くなることがあります。
まとめ
・「迷惑をかけている」という気持ちは消そうとしなくていい。伝わる形を作るほうが早い
・「一度やってみる → 確認する」の順番だけで、真面目さは自然に伝わる
・挨拶+ひと言を続けると、少しずつ自信になる
・時短勤務の悩みは完全にはなくせない。前提として引き受けると軽くなる
・転職は慣れて、希望を先に伝える。控えめは損をする
・職種は未経験より得意を選ぶ
・そして——その悩み、本当は子育ての悩みかもしれません
できなかったことが今はできている。それだけで、もう十分すごいことです。

